らんす戦記4

草原を駆け抜け、視界に痩せ細った木が入る

劣悪な環境への耐性が強いカラマツを中心とした針葉樹林の木だ。

冷えてきたなだから雪原は嫌い

雪原と通称される5か所の1つ

ゾウチョウ雪原の上空が遠くに見える。

ユニリオン大陸に明らかな四季が存在しない

僅かに四季を感じる感じるくらい、だろうか。

その大陸上に於いて唯一、常時雪と吹雪が舞い踊る場所。

何度も軍が通ったからだろうか、

路は誰かが整備したわけでも無いまま

軍馬や鎧を着た人の重さで踏み固まり、

自然路となっている為、自然とその道に沿って駆けざるを得ない。

カラマツを両端に眺めながらヒルデが駆ける。

馬上のランスの顔にほんの一瞬緊張が走る

この違和感

前方を捉えながらも、南方へ顔を少し向ける。

そのまま数秒

あきらかな軍馬兵の騒しい物音が

次第に、しかし確実に大きくなっている。

常人より視力がいいランスの目が、1つの旗を捉える。

そして、あのクロマツ模様は加賀軍

既に視野に入ってから、かなりの速さでこちらに向けて広がっている。

逆である右手の木を見たランスは、細い路が23手に広がっているのを確認

羅刹軍迄の道にも通じそうだ、前傾姿勢のまま僅かに顎を引く

ポーチの伝送石に右手を当て、そのまま思念を送る

加賀軍と交戦しそう

了解、援軍すぐに

篠雪の文字と不思議とわかる、到着したらしい。

間に合わない、そっち後方に気を付けて

えっ、しかし

一方的に石から手を離し伝送を終わらす

ランスは馬上で最速度を保ちながら、軽く握った左手の指を口元へ運び、

薄目となり、ゆっくり深呼吸する。

昔からの癖で、何故かは解らない。

集中する事前動作として必要なのだろう、と勝手に自己分析している。

目を見開いたランスは同時に右手を胸に当て、そのまま維持

動速度強化と知覚範囲の広域化紋様が徐に浮かんで来る。

巷では、換装と呼ぶらしい、どうでもいいが。

浮かばせるのに時間かかるのだけは、勘弁して欲しい

と、常思う。

弓の音。引き続き何度も同じ音が左耳に届く

弓矢が数十以上、左手に見える

知覚範囲拡大した独特の感覚により、

落下軌道予測を立て、自身の速度を鑑みた上で

軌道が少ないルートを選びつつ、抜き放った剣で叩き落す。

何故です?単純に鎧の物理強化でいいではないですか?受けて弾けますよね?

この前、食堂で話していたジンさんの声が何故かよぎる

うん、それでもいいんだけど

ほら、美しくないじゃん?それ

ランスの真顔の答えに

ジンさんの表情は一瞬の戸惑いから思考を巡りに至るを表し、

最後に苦笑に近い笑顔を残して、納得していた。

自身の剣が弓を弾く音で現実に戻らされる、

既に落した矢は10矢を超えた。

単純に矢を叩き落すにも、馬に流れないよう気を使う為

落し方も計算に入れねばならない。

僅かに上がっている動速度が頼りとなる。

激しいいななきと共に、左前方から数十は超えている騎馬の塊が迫る

ここまで近いと、味方に当たる可能性がある為、既に弓は来ない。

その代わりのお礼とばかりに、馬上の加賀軍兵の剣が陽光を浴びて鈍く光る

黒い壁ですね

ランスは場にそぐわぬ思いを浮かばせつつ

さらにヒルデに舌鼓と脚を当て、最速度を落とさず

駆ける

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