ユダヤ53〜帝国主義をロスチャイルド家が推進

帝国主義ロスチャイルド家が推進

 

 19世紀末から20世紀前半にかけて、近代世界システムを帝国主義(インペリアリズム)が席巻した。

 帝国主義という言葉は、1870年代から英国で使われ始めた。イギリス植民帝国の拡大強化を意味した。帝国主義は過去の諸文明における世界帝国にもみられた政策だが、大英帝国帝国主義は近代資本主義国家が取った政策である点が特徴的である。また当時の資本主義は、金融資本が中心となった金融資本主義の段階に達していた。産業に利用する科学技術も重化学工業化していた。

 1900年ごろには、重点は政治的な植民主義から、市場・原料資源・投資のはけ口のための経済的な浸透と支配へ移った。この経済政策の最大の推進力となったのが、ロスチャイルド家だった。そして、イギリス王室とロスチャイルド家の共通利益を政策的に追求したのが、大英帝国帝国主義である。資本と国家の相互依存の典型がここにある。

 イギリス自由党員で経済学者のジョン・アトキンソン・ホブソンは、1902年に初版を出した『帝国主義論』で、当時のヨーロッパの状況を描き、帝国主義政策による植民地獲得や戦争の背後にいるのは、主として国際資本勢力だと主張した。ホブソンは、次のように書いている。

 「銀行、証券、手形割引、金融、企業育成などの大型ビジネスが、国際資本主義の中核を形成している。並ぶもののない強固な組織的絆で束ねられ、常に密接かつ迅速な連絡を互いに保ち合い、あらゆる国の商業の中心地に位置し、ヨーロッパに関して言えば過去何世紀にもわたって金融の経験を積んできた単一の、そして特異な民族によってコントロールされている。こうして国際金融資本は、国家の政策を支配できる特異な地位にある。彼らの同意なくしては、また彼らの代理人を通さずには、大規模な資本移動は不可能である。もしロスチャイルド家とその縁者が断固として反対したら、ヨーロッパのいかなる国も大戦争を起こしたり、あるいは大量の国債を公募したりできない。この事実を疑う者は一人としていないのである」と。

 上記引用において、「過去何世紀にもわたって金融の経験を積んできた単一の、そして特異な民族」とは、言うまでもなくユダヤ人のことである。そして、ホブソンは、その代表格としてロスチャイルド家を挙げているのである。

 1904年までに、ロスチャイルド家は、ヨーロッパ諸国に13億ポンドの債権を持つにいたった。ホブソンが、彼らなしに、戦争を起こすことも、国債を募集することもできない、といっているのは、そのような状況を指す。

 帝国主義政策は、1870年代のイギリスに始まり、フランス、ドイツ、ロシア等でも行われるようになった。資本主義の発達の度合いは、各国によって違うが、互いに資源と市場を求めて争った。イギリスは、インドを植民地とし、さらにシナの清朝を破り、半植民地とした。フランス、ドイツ、ロシア、アメリカ等も東アジアに進出した。アフリカや中東等で、帝国主義諸国による再分割の争奪戦が繰り広げられた。

 ホブソンの『帝国主義論』に続いて、ユダヤ人経済学者のルドルフ・ヒルファーディングが1910年に『金融資本論』を出し、1916年にウラディミール・レーニンが『帝国主義論』を出した。レーニンは、ホブソンの『帝国主義論』を種本にし、経済分析の多くをホブソンに負っている。レーニンは、「ホブソンの著作を細部にいたるまで使わせてもらった」と記している。

 レーニンは帝国主義を資本主義の最高段階とし、また独占資本主義とした。帝国主義における独占は、四つの大きな特徴を持っている。独占は、第一に、生産の集積の高度な段階で、カルテル、シンジケート、トラストという形をとる。第二に、石炭や製鉄という中心的な原料資源のカルテル化として現れる。第三に、銀行から生じたもので、三つか五つほどの巨大銀行による金融支配が現れる。第四に、植民政策の産物である。

 帝国主義が支配的だった19世紀末から20世紀前半の時代を、帝国主義の時代という。この時代において、ロスチャイルド家をはじめとするユダヤ人金融資本家が生産と戦争の両方において大規模に富の追求をしていたことは、言うまでもない。

 次回に続く。