「マカロニウェスタンの汗」

おれがまだ子どもの範疇にいたころ

マカロニウェスタン」が空前のヒットをした

マカロニウェスタン

まだ普通のアメリカ西部劇が流行っていた1960年代から1970年代にかけて

日本でも流行したイタリア製西部劇で

別にイタリア人俳優が主演だったワケでもなく

イタリア人が主要な制作メンバーだったことに起因する

(ただしマカロニウェスタンと呼んでいるのは日本国内だけで アメリカやヨーロッパではスパゲティウェスタンと呼ばれている)

アメリカ製西部劇とマカロニウェスタンの違いは

主人公が勧善懲悪正義のひとというアメリカ製西部劇のステロタイプに対し

マカロニウェスタンの場合ほとんどが善悪の区別がはっきりしない

どちらかというとニヒリストだという点だ

まぁ日本の時代ものでいえば「木枯し紋次郎」ですな

そしてやたらと「血が飛び散る」演出も特徴だ

主人公は1作で2回ほど窮地に陥り

袋叩きにされたり撃たれて瀕死の状態になったりする

まぁ

そこらへんは黒澤明の「用心棒」を援用しているという指摘に繋がっているのだが

そこらへんは「荒野の7人」がいまだにリメイクされる映画界の事情があるんだろうな

あとおれが気になっているのは

マカロニウェスタンの「汗」である

マカロニウェスタンの主人公はなぜか「汗ばんで」いる

まぁ舞台がメキシコなのでアメリカよりも暑いということもあるのだろうが

その表現として「汗ばみ」が多用されている

かといって

ダラダラ汗をかいているワケではない

汗ばんでいるのである

もう暑苦しいのだ

暑苦しいのに毛布みたいなポンチョをかぶっている

ものすごいムシムシ感が押し寄せてくる

その温度みたいなのがマカロニウェスタンの醍醐味だ

これは主人公がニヒルなのに映画は案外ホットだぜみたいな

意外性の付加なのかもしれない

そして登場してくるオンナも

褐色の肌をした目鼻立ちのハッキリしたエキゾチックなのが多く

それも「大草原の小さな家」の学校の女教師みたいな「脂」をかんじない

アメリカ製西部劇とは好対照だ

いま観ると

多分それほど面白いストーリーじゃないんだろうが

こういうのにひとが熱狂した時代もあったんだよね