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鉄道之雑談帖(その148)―小田急線の複々線化工事完成へ

わたくしは現在はさいたま市在住で、JR東ユーザーでありますが、長年小田急線沿線に住んでおりまして(昭和〜平成初頭)。小田急線は車両のイメージが良いのでありますが、通勤に使う電車としては最悪に近いものが(後に改良前の東武伊勢崎線沿線住民になって、下には下があるものと思い知りましたが)。混雑はまあ我慢するとしても、朝の通勤時間帯のノロノロ運転(並行ダイヤの御蔭で)は閉口でした。何かの弾みでお腹が痛くなり始めようものなら、その苦痛は今思い出しても筆舌に尽くし難い程。

それでも大学時代に千代田線と代々木上原で接続して、朝の何本かの電車が地下鉄へ流れる様になって、新宿迄の所要時間は僅かながら短縮されたのでありますが、それより以前、未だ通勤電車に冷房が導入されない時期の夏場、腹痛に襲われた日には、文字通り膏汗を流して、只管下車駅に到着するのを待つ迄の地獄が。

そもそも並行ダイヤを組まなければならない程、輸送量に対しての線路容量が限界に来ていたのでありまして、抜本的な解決は複々線化しかなかったのは、今から40年ほど前でも自明の理でありました。で、昭和末期から複々線化に向けて、その費用を運賃に上乗せしてという方法が認められてから、小田急線もようやく複々線化工事が本格的に始まりました。

が。今でも忘れませんが、豪徳寺〜世田谷代田間の沿線住民どもの一部が、「小田急線高架工事絶対反対同盟」なんてものを拵えやがって、地下化にしろとゴネるゴネる。某国営放送でこの話題が取り上げられた時は、既に86%の沿線住民が立ち退きに同意しているにも関わらず、この14%の基〇外共が寝言をほざくほざく。小田急主催の説明会を会場で散々わめき散らかして妨害工作を繰り広げ、説明会を出来なくした挙句に「会社は誠意ある説明会を開催しない」との寝言を。更には裁判沙汰に迄。

でもって、これが時々居るらしい地裁のアホ裁判長が、工事差し止めなんてお馬鹿な判決を出しやがって、更に調子に乗りやがって。まあ結局高等裁判所最高裁判所で「工事差し止めなんぞふざけんな、ゴルァ」と至極御尤もな判決が出て(ここまでくるのに10年近く掛かった記憶が)、例の如く『不当判決』なんぞと書かれた幟を掲げた所で、後の祭り。

それはまあ兎も角、あの下北沢駅周辺の複々線化をどうするんだろう。何しろ御存知の方も多いと思いますが、あそこの駅前商店街は、びっしり詰まっていて、しかも権利関係が複雑に入り組んで仕舞っていて、当時でもとても交渉の糸口すら容易に見つからない状況。

複々線化工事がだんだん進んで、和泉多摩川〜世田谷代田が(本格的な工事に着手して20年以上経過して)それなりに工事が進み、一部は複々線が出来上がった後も、下北沢駅周辺の景観はまったく変わらず。どうするのか、と思っていたら小田急電鉄も二進も三進もいかず、遂に下北沢の駅を地下化して、無理無理な急勾配を駅の前後に設定して(33パーミルという、山岳路線の一部にのみ許される様な急勾配)、地下で急行線と各停線を二重構造にして、複々線化を実現させる荒業を選択。

そんなこんなで、今年度末にはついに工事が完成する見通しとなり、小田急電鉄は今から来年のダイヤ改正のPRに余念がないそうで。

<引用開始>

小田急が1年も前から新ダイヤをPRする事情 複々線化で「混む・遅い」イメージの払拭狙う

新生活がスタートする春は、鉄道各社のダイヤ改正の時期でもある。ダイヤが変わる際には、各社とも駅や電車内にポスターを掲出したり、公式Webサイトに特集ページを設けたりするなどして、新しいダイヤをPRするのが一般的だ。

小田急電鉄は2017年の年明け早々から「HELLO NEW ODAKYU!」というキャッチフレーズの広告を小田急線の駅や車内のほか、東京メトロ各線の車内ディスプレーや都心部の駅、さらにネット上などで大々的に展開した。現在工事を進めている複々線の完成により、混雑緩和やスピードアップが実現することをビジュアルで訴えるイメージ広告だ。現在も同社公式Webサイトのトップに大きく表示されている。だが、ここでPRしているダイヤ改正が行われるのは「2018年」の3月。来年のダイヤ改正を告知するキャンペーンなのだ。

◆「混む・遅い」イメージの変革狙う

複々線化は同社が「50年以上追い続けた夢」と表現する一大事業。とはいえ、工事の完成に合わせてダイヤ改正を行う1年以上前から、しかも沿線だけでなく幅広いエリアでPRを行うのは鉄道業界でも珍しい。同社CSR・広報部課長代理の菅谷裕子氏は「特急ロマンスカーや箱根に関するプロモーションは実施しているが、複々線化事業に関してここまで大規模なPRは初めてです」と言う。その大きな狙いは、長年の間にすっかり定着してしまった「小田急は混んでいて遅い」というイメージを払拭することだ。

小田急線の混雑率は首都圏でも有数のレベルだ。混雑率が200%を超えていた1990年代初頭までと比べれば緩和されてはいるものの、国土交通省の2015年度データによると、最混雑区間である世田谷代田―下北沢(ともに世田谷区)間のピーク時の混雑率は191%。大手私鉄では東京メトロ東西線に次いで2番目に高い。混雑が激化するようになったのは高度経済成長期。郊外の沿線で急速に進んだ宅地開発によって利用者が急増し、昭和30年代末には朝ラッシュ時に列車の間隔を極力詰めて増発するため、急行や準急が各駅停車を追い抜かない「平行ダイヤ」が導入された。混雑率は上昇する一方、朝の都心部ではノロノロ運転が常態化し、いつしか小田急といえば「混む、遅い」というイメージが定着するようになった。

複々線化で生活はどう変わるか

この対策として小田急が進めてきたのが複々線化だ。東北沢―喜多見(ともに世田谷区)間の高架・複々線化が都市計画決定されたのは、今をさかのぼること53年前の1964年。現在は和泉多摩川(東京都狛江市)―梅ヶ丘(世田谷区)間が完成しており、現在は2017年度末の完成に向け、梅ヶ丘―東北沢間の工事を進めている。同区間が完成すれば、すでに完成した区間と合わせて和泉多摩川―東北沢間の約10.4キロメートルが複々線となり、ラッシュ時の増発と所要時間の短縮が可能になる。混雑率は160%程度まで低下する見込みだ。

工事は長年続いており、小田急線で都心に通う利用者には「複々線」の言葉そのものはおなじみだ。だが、最終的にいつ完成するのかについての認知度は決して高くないのが実情。さらに、完成したところで具体的にどのような効果が出るのかについても、それほど知られていないという。

そこで「複々線の完成によって生活がどう変わるか、どんなメリットがあるのかをなるべく早い段階から周知し、理解していただければ」(菅谷氏)と、複々線化の完成・ダイヤ改正より1年以上早くプロモーションを行うことになったわけだ。

年明けから開始したのは、引っ越しの多い時期である春を控え「新しい生活が始まる時期に(来年の複々線化完成について)思い浮かべてもらうことで、沿線の方には引き続き住み続けてもらい、沿線外の方には『次は引っ越してみよう』と選んでもらえるように」との狙いがある。同社交通企画部課長代理の飯田尚宏氏は「例えばもともと沿線に住んでいて、地方に赴任するなどしていた方が首都圏に戻ってくるとき『小田急は混んでいて時間もかかる』というイメージから、沿線に戻って来ない方がいる可能性があると思う」と指摘する。「選ばれる沿線」に向け、混んでいて遅いというイメージをなるべく早く塗り替えることが急務なのだ。

複々線化をPRする同社の特設Webページには、複々線化によってもたらされる「NEW LIFE」の例として「痛勤・痛学のストレスを緩和」の文字が躍る。「痛勤」は過酷な通勤ラッシュを表す言葉としてよく使われるが、ネガティブな印象を与えるこの表現を鉄道会社が用いるのは珍しい。「確かに(痛勤という言葉を)自ら使うというのはちょっと異例かもしれないが、小田急の朝のラッシュはすごく混んでいる、ノロノロ走って遅い、なにかあると遅れるというイメージが定着してしまっている」と、運転車両部課長代理の加藤茂行氏は率直に認める。

そのうえで「それを解決しなければならないというのはわれわれの長年の課題だった。今回の複々線化はまさにそれを解決できるタイミング。複々線効果を最大限に活かして『混雑していて遅い』という点を改善するのがダイヤをつくる上での役割だと思っている」と語る。複々線化により、朝ラッシュ時の上り列車は現在の1時間当たり28本から36本まで増発する予定。特に増えるのは東京メトロ千代田線直通の列車だ。現在も朝方ラッシュ時間帯には千代田線直通列車を運転しているが、新宿行きの列車に乗り、同線との接続駅である代々木上原で乗り換えている利用者も多い。「千代田線直通列車の増発により、これまでより多くのお客様に直通列車をご利用いただけるようになることで、混雑が平準化されることを期待している」と加藤氏は言う。

◆地下鉄直通増加で遅延は増えない?

千代田線直通の増発によって、霞ケ関や大手町など都心部への利便性は向上する。だが、懸念されるのは遅れや運休など、ダイヤの乱れだ。同線はJR常磐線とも直通運転を行っており、常磐線・千代田線・小田急線のいずれかでトラブルが発生すれば各線に波及してしまう。この点について加藤氏は「直通運転でほかの路線の遅延が波及するというのは鉄道事業者全体の課題だが、(小田急の場合は)増発する直通列車の運用などにより、遅延の拡大を抑えるような対応についても検討する」という。

列車の遅れを解消するために有効なのは「遅れを引きずらない」ことだ。たとえば、現在は千代田線内で遅延が発生した場合、直通列車は小田急線内に遅れたまま入線することになる。だが、直通列車の本数が増えれば、遅れた列車を1本後の時間どおりのダイヤに乗せる「振り替え」を行うことができ、実質的に遅延を解消できるという。「直通列車が増えることで列車の振り替えが容易になると、遅延回復の対応の幅が広がる」と加藤氏は説明する。では、混雑と並ぶ課題である「遅い」面はどのように変わるのだろうか。「都心までの所要時間でいうと、例えば平日の朝ラッシュ時で町田から新宿まで10分程度短縮されることなどが強みの一つ」と飯田氏は言う。

平日の朝8時30分ごろ新宿に到着する列車を例にとると、現在48分かかっている町田―新宿間(約30キロメートル)は10分短縮されて38分となるほか、海老名―新宿間(約42キロメートル)も1時間から51分に短縮される予定。同じ時間帯の近隣他線の所要時間は、町田―新宿間とほぼ同じ距離のJR中央線日野―新宿間が約47分、京王線高幡不動―新宿間も急行で同程度だ。同じ所要時間でも小田急は通勤圏が他線より広がることになる。遠距離の利便性向上を図るのは、将来に向けた布石でもある。今のところ輸送人員は増え続けているものの、将来的な人口減少は避けられない。スピードアップによって通勤圏を広げるとともに、郊外の駅周辺開発によって生活の利便性やブランド力を高めることで、今のうちに沿線に住む人口を増やしたいという狙いも見える。

◆ハード面の整備だけでは限界も

小田急線は今年の4月1日、開業から90周年を迎えた。複々線化は同社が「50年以上追い続けた夢」、つまりこの事業に歴史の半分以上を費やしてきたわけだ。現在、首都圏で進む鉄道の輸送力増強策としては最大規模といえる同線の複々線化。激しい混雑に悩む近隣の鉄道事業者も、混雑緩和が実現する小田急に利用者の一部が流れることを期待しているという。とはいえ、複々線完成後の混雑率は、現在よりはだいぶ緩和されるものの160%程度。国土交通省が目標値として掲げる、東京圏の主要31区間の平均値である150%よりもまだ高く、現在の西武池袋線(159%)や東急東横線(163%)と同レベルだ。長い歳月と多額の費用を投じて大規模なインフラを整備しても、ラッシュ時に集中する輸送量にはなかなか追いつかないという通勤鉄道の混雑緩和の難しさが現れているともいえる。

東京都は4月28日、通勤ラッシュの緩和に向けて時差通勤などを呼びかける「快適通勤プロモーション協議会」の初会合を開いた。さらなる混雑の解消に向けては、鉄道事業者によるハード面の対策だけでは厳しい面がある。神奈川県内や都内南西部から都心へと向かう大動脈である小田急線。複々線がもたらす効果を有効に引き出すためには、社会全体での通勤混雑緩和に向けた取り組みも不可欠となるだろう。

<引用終了>

出典Web:http://toyokeizai.net/articles/print/169888

この辺りの事情は、他の関東圏の私鉄各社も似たような状況で。東武伊勢崎線は、沿線住民が小田急線沿線の住民程基〇外ではないのか(或いは東武沿線に住むメリットが小さい所為か)、すんあり複々線化工事が進んで、関東圏の私鉄の中では一番早く、最も長距離の複々線化が完成(しかしダイヤ編成が硬直的で、全く複々線化が生かされていなかったのは、何時ぞや記したとおり)。東横線目蒲線をバイパスに使い、尚且つ代官山〜渋谷間を全く別線にして渋谷駅界隈を大改造すると云う大技に。尤も田園都市線の方ははお手上げの様ですが。

複々線化なった小田急線に乗るのが、ちょっと楽しみでありますね。