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城塞 新国立小劇場

安部公房の脚本の芝居はずーと避けて来たので脚本の本は持っているけど初演とかは見てないです。なにしろ私には理解しがたい世界だから。

今回は上村聡史氏の演出だから取りました。

第二次世界大戦から戦後まで戦争成金で財を成した父親の財産を受け継いだ息子が父の狂気に付き合って、満州から逃げ出す過去を定期的に再現するという話から始まります。

17年も同じ事を繰り返して来た事からさすがに息子の妻は耐えられないくて精神病院にいれるように強制する。

息子は過去を再現する事で現実を見てほしいと最後の脱出劇をしかけるのですけど。

息子は戦争で財をなしそれを戦後、さらに発展させてもっと大きな会社にした事がなんとなくやましく思っているのが分かります。赤いカーテンを開けると復興した東京の姿が見える。そして、最後は?

息子も狂気に逃げた父親も過去に縛られて逃げられない。過去を繰り返しても現実は変わらない。息子が最後にこの現実から脱出すべく投げかけた言葉も父親には届かない。

最後に繁栄していた東京の姿が消えて戦場?の煙が出てくる中へストリーッパーの女が駆け抜けてゆく。これからの日本を象徴していたのか?この辺りが上村氏の見せたかったのかなとか?妹を演じていたストリッパーの松岡依都美の潔さが目立っていた。

主役の息子の山西惇はうるさかった。成金の息子が年とったらこんなに下品に見えるのかな?従僕のうさんくささがどこまで本当なのか、そのあたりが巧いと思いました。

30日まで。空席が目立っていたのは仕方ないかも?