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「無法松の一生」感想。

 1943年の坂東妻三郎版。吉岡のぼんぼんの少年時代を演じているのが沢村アキヲ。のちの長門裕之。無法松と呼ばれるほどの暴れん坊の松五郎は人力車の車夫をなりわいにしています。ある日けがをしている少年を助け自宅に送り届けます。母親からそのことを伝え聞いた敏雄の父親は陸軍大尉の吉岡小太郎であり、これが縁で松五郎は吉岡家に出入りするようになった。しかし、吉岡大尉は雨天の演習で風邪を引き急死した。夫人のよし子は、敏雄が気の弱いことを心配して松五郎を頼りにする。松五郎は夫人と敏雄に献身的に尽くしていくのだった…。

 松五郎の人生を人力車の車輪の回転で表現しているのが素晴らしいです。とくに感銘を受けたのが人力車の車輪から炎が立ち上る場面。松五郎の情熱を表しているのだろうと思いました。それと大学生になったぼんぼんが恩師を連れて帰省してきたときに、松五郎が披露する祇園太鼓の場面。本当の祇園太鼓の打ち方がもう見られないことに落胆したぼんぼんの恩師に松五郎がもう小倉では打てる人がいないという、“流れ打ち“、“勇み駒“、“暴れ打ち“を次々と披露していきます。

 場面はやがてこれまでのハイライトシーンに展開していきます。松五郎の死が暗示されます。回転していた車輪が止まります…。これは名作だと思いますね!

ただずいぶんと検閲で切られちゃってるようですね〜。wikiによると戦前の内務省で10分以上、戦後のGHQでも8分以上…。特に内務省の検閲では、松五郎が未亡人に想いを告白しようとする箇所がばっさり切られてるそうです。これでは稲垣浩監督が無念に思いリメイクしたくなるのもわかりますよね〜。オイラは1958年の三船高峰版も観てますが、これもいいんですよね〜。機会があったら両方ご覧になってください。